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脱炭素の展望 今年業界が見据えているものはなにか

ESG投資のこと、以前お話したと思います。
【投資家に問うしかない】エコ世代は投資もエコ! ESG投資に注目せよ! vol.58 | DACO CO.,
LTD.

世界中でESG投資の重要性が主張されています。それに伴い、企業もESGを意識したコンプラ
イアンスを整備しようという動きが加速しています。2050年までに、場合によってはそれ以前
にネットゼロに到達するという目標があり、その一環として、二酸化炭素排出量を相殺しよう
とする企業が増えています。そこで注目されているのがVCM。voluntary carbon marketsの
略で、自主的な炭素市場と呼ばれています。企業や個人が削減した 温室効果ガスの量を「炭素
クレジット」として認証し、取引する民間主導の市場のことです。

VCMをめぐるシンガポールの動向

2021年、シンガポールは、この増大する需要を活用するために、グローバルな炭素取引所およ
び市場であるClimate Impact X(CIX)を立ち上げ、今年6月に、新しいスポット取引プラットフォ
ームの稼働を開始しました。
このような背景から、私リチャードは、世界中のファンドと日々積極的に連絡を取り最新の動
向をキャッチアップしています。CIX関係の要人とも、現物取引プラットフォームのデビュー
以来の取引所運営者の進歩、炭素先物の立ち上げが次のステップである理由、シンガポールを
地域の炭素取引ハブに変えるために何をする必要があるかなどについて話し合いました。

シンガポールのプラットフォームの仕組みとは?

2021年にDBS銀行、シンガポール証券取引所(SGX)、スタンダードチャータード銀行、テマセ
クによってCIXが立ち上げられて以来、多くの進歩を遂げてきました。
クライメートインパクトXは2021年に設立されました。現在までに、基本的に3つの異なるプラ
ットフォームが設定されています。2022年3月にクラシックマーケットプレイスから始まり、
企業のバイヤーはこの市場に注目しています。今や、大企業はどんどんとネットゼロ目標に取
り組まなければならないという社会的なプレッシャーがあるため、この需要はどんどん高まる
でしょう。

2022年6月に立ち上げられた2つ目のプラットフォームは、オークション機能。オークションメ
カニズムでは、マーケットにおける適正な価格の相場を見るのに役立っています。
また、先物商品の開発も積極的に取り組まれています。

炭素クレジットの取引量はどんどん増える

CIXは先月、現物市場での取引初日に、合計12,000トンの炭素クレジットの取引が行われたと
発表しました。最初の取引日に12,000トンをクリアして以降、毎日参加が見られ、ビッド側と
オファー側の両方で参加の深さが見られ、スプレッドが互いに5セント以内に狭くなってきて
いるようです。トランザクションもはるかに簡単かつ迅速に実行されるようになってきました

現在、30以上のオンボーディングの取引相手がおり、パイプラインにはさらに15〜20があり、
現在オンボーディングに取り組まれているところのようです。クライアントは伸びる一方です

国際的な議論も併せてチェック

今年7月の下旬、高品質なボランタリークレジットの基準を提案する「IC VCM」が基本原則に続
いて評価基準を発表しました。炭素中立を宣言するための基準を提案するVCMIと連携したもの
で、炭素クレジット活用のための需給両面の基準がそろったことになります。

炭素中立を目指して炭素クレジット活用は活発になってきていますが、グリーンウオッシュな
ど批判もあります。炭素リスクマネジメントも今後大きな課題となってくるでしょう。市場関
係者にはクレジットの標準化による市場拡大、価格上昇への期待もあります。基準作りは地味
なものだが、この取り組みへの注目度は高いといえます。私も注目しています。

いかがでしたか?こういった新しい金融業界の動き、難しいかもしれませんが、時々ご紹介し
ていきますね。

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