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投資する企業を選ぶ判断基準となるもの:IR

こんにちは、日本ウェルスマネジメントのリチャードです。

クライアントの皆様からよくいただく質問に、「投資する企業を選ぶときに、どんなところを調べているの?」というのがあります。

良い質問ですよね。今日は、私が投資先を選ぶときに調べるポイントのひとつ、IRについてお話したいと思います。

企業のウェブサイトを見たとき、「商品のご案内」、「企業概要」といった並びの中に、「IR」の文字を見かけることが増えてきました。見たことがある方、きっと多いのではないでしょうか。

このIRって、なんのことか知っていますか。

「Investor Relations」のことで、投資家向け情報を意味します。企業が株主や投資家に対し、財務状況など投資の判断に必要な情報を提供していく活動全般を指します。要は、株式投資に欠かせない企業情報の宝庫なのです。最近は、株主や投資家に対するだけでなく、顧客や地域社会等に対して、経営方針や活動成果を伝えることもIRのねらいの一つになってきています。

社会活動や地域への貢献も企業に求められている

昔はこういった考え方はありませんでしたが、近年は、企業はIR活動を通じて株主、投資家、顧客などと意見交換することで、お互いの理解を深め、信頼関係を構築し、資本市場での正当な評価を得ることができると考えられています。時には、外部からの厳しい評価を受けることで、経営の質を高めることが重要であるとも考えられています。そういった背景から、IR活動の一環としてホームページ上にIR専用のサイトを設ける企業が増えています。

行政にも普及しつつあるIR

IRは本来民間目線の取り組みであり、行政がこの名称を用いることは必ずしも正確ではないのですが、行政にもこのIR活動の考え方が普及し始めています。

行政の場合は、行政への「インベスター(投資家)」は納税者ですよね。納税者に対して情報を提供し、適切な評価を得ることで、行政活動の質を高めていくことができると考えられているのです。

例えば、道路運営関係では、2001年、ホームページ上に行政評価専用の「道路行政評価サイト(通称:道路IRサイト)」が開設され、予算や関係公団の財務諸表、事業評価の結果などが公表されています。省庁としては初めての取り組みになります。

実際どの項目に着目すればいいの?

IRは、株式投資をしようとするとき、銘柄(企業)を選ぶときに有益な情報を与えてくれます。単に「有名な企業だから」「よく利用しているから」「株主優待がよさそうだから」「これから値上がりしそうだから」という感情論だけではいけません。しっかりとみるべきポイントがあるんです。

候補に上げた銘柄が投資に値するかどうか、個人投資家の皆さんはどう判断しているのでしょうか。「直前の株価の動きで見る」「PER(株価収益率)で判断する」「企業の業績が伸びていたら投資する」「配当を見る」…などさまざまな判断軸があります。こういった情報に加えて、法律で開示が義務付けられている有価証券報告書というものを私は必ずチェックするようにしています。

財務情報以外の「思い」が見えるIR

IRは、ウェブサイトに記載されている情報だけでなく、いわゆるテレビのコマーシャルや、街でみかける企業広告、投資家交流イベント、投資家向け広報誌など、いろいろな方法や手法で行われています。

有価証券報告書は、小難しい文章と財務情報のみですが、IRでは、経営方針、将来の展望、社会貢献活動などといった企業情報を知ることができます。

例えば、事業拡大を誓う社長の熱いメッセージが動画で見られたり、また、ある企業では被災地のボランティア活動の予定が紹介されていたり、本当に様々です。今後どんなところに注力していくつもり、というメッセージは、当該企業の今後の投資の方向性を知ることにもつながり、非常に役に立つ情報が見つかることも珍しいことではありません。

IRは、企業の将来性を計る重要な判断材料という側面に加え、IRによって企業が目指すところに株主や投資家が共感し、合意を得る手段とも言えるのです。

今後はぜひ、企業のIRのページをじっくりと読んでみてくださいね。

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