今回は、世界の投資関係ニュースをご紹介します。外国語で書いてあるためなかなか読まない、意外と知らない海外情報。役に立つ情報や面白い情報をご紹介していきたいと思います。
シンガポールのウェルスプラットフォームが英国のデジタルバンクを2,500万ポンドで買収
シンガポールに本社を置くiFast Corporationは、パートナーであるEagles Peak Holdingと、バーレ ーンのBFCグループから、BFC銀行を買収する契約を締結しました。これにより、iFastは英国の デジタルバンクの85%の株式を2,500万ポンド(3300万ドル、2900万ユーロ)で購入すること になります。また、シンガポールのウェルスプラットフォームは、買収後、英国の銀行に1,500 万ポンドの追加資本を投入する予定とのこと。
BFC銀行は、英国のプルデンシャル規制庁(PRA)および金融行動監視機構(FCA)の認可を受ける銀行です。
バンキングライセンス
iFast Corporationの会長兼CEOであるLim Chung Chun氏は、「消費者や投資家が様々な通貨で魅力 的な預金金利を得ながら、国境を越えてシームレスに支払いの流れを管理できる、優れたデジ タルバンキングサービスとシームレスにリンクした資産管理プラットフォームは、強い優位性 を持ち、お客様にとって魅力的なサービスとなるだろう」と自信を持っています。
世界と強いつながりを持つトップクラスの金融センターとしてのロンドンの地位と、将来を見据えた規制の枠組みを考慮すると、フルライセンスの英国の銀行は投資家にとっても、インターナショナルなビジネスマン等にとっても非常に魅力的なもの。
英国の銀行での買収により、 iFast Corporation グループは、評判の高い司法権と世界の金融セン ターである英国での銀行免許を取得することができるため、今後の動向が楽しみです。
ドイツ銀行、中国でのWMジョイントベンチャーに注目
ドイツ銀行は、中国にウェルスマネジメントのジョイントベンチャーを設立しようとしているとの報道がありました。関係者によると、ドイツ銀行が中国郵政銀行の資産管理部門にアプローチしたという。
同筋によると、まだ合意には至らず、話し合いが続いているとのこと。ドイツ銀行は、姉妹誌 のFund Selector Asiaが協議の確認を求めたところ、コメントを避けています。
この計画が実現すれば、ドイツ銀行は、中国本土の個人投資家の富裕層へのアクセスを得るために、中国の銀行と富裕層管理パートナーシップを結ぶ5番目の海外企業となります。
中国の金融安定発展委員会は2019年7月、同国の金融市場への海外からの参入を促進するための施策を発表しましたが、その中には、2020年にファンド管理会社の外国人保有制限を撤廃することや、国内のウェルス・マネジメント会社(WMC)の外国人支配を認めることなどが含まれていました。中国の銀行の多くは規制改革に対応してWMC子会社を設立し、欧米の資産運用会社に機会を提供しました。
富裕層向けパートナーシップ
中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)は、2019年にこの分野を外資に開放して以来、これまでに4社の合弁による資産管理会社の設立を承認しています。
フランスを拠点とする資産運用会社アムンディと中国銀行傘下の中国銀行(BOC)ウェルスマネジメントは、新しいウェルスマネジメントの枠組みの下、CBIRCから合弁会社設立の承認を最初に得ており、シュローダーと通信銀行(ボコム)ウェルスマネジメントの提携は2021年2月に承認されています。
ブラックロックと中国建設銀行(CCB)ウェルス・マネジメントのベンチャーは2021年5月に開業し、ゴールドマン・サックスとICBCウェルス・マネジメントの提携も同月に続いて開始しました。
他方、JPモルガン・アセット・マネジメントは2021年3月、中国商銀行のWMCであるCMBウェルス・マネジメントとの「戦略的パートナーシップ」を拡大し、UBSは中国生命保険とのウェルス・マネジメント提携を協議していると報じられています。