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まだまだ高まるESG投資への重要性

ESGは、投資の世界だけでなく、世界中の企業が従わなければならない基本的なルールとなり
つつあり、当然、資産運用会社においては、ESG対策が最重要課題となっています。
おさらいはこちら
【投資家に問うしかない】エコ世代は投資もエコ! ESG投資に注目せよ! vol.58 | DACO CO.,
LTD.

ステークホルダー全体を巻き込んだ企業主体のESG戦略「ESG2.0」では、サステナビリティ
はCSRのような広報、ESG投資家への対応に向けたIR、といった企業の一部門の取り組みとし
て捉えるものではなく、サステナビリティを企業戦略の中心に据えるべきものと位置づけてい
ます。その上で、インパクト投資、トランジション・ファイナンス、気候変動コストの上昇、
ソブリンファンド等を検討するうえで、企業がESGに関するKPIを明確に定め、KPIをトラッキ
ングし、財務パフォーマンスへの影響を見定め、従業員やコミュニティ・外部に対して明確に
発信していくことの重要性が大切であるとされています。

投資家が主導している米国などとは異なり、日本企業は自主的にサステナビリティに取り組ん
でいる傾向が強く、ESG2.0において高いポテンシャルを有しているのではないかともいわれて
います。

持続可能であることと、財務リスクを適切に把握するためには、イノベーティブなデータ収集
方法と、サプライチェーンを通じて包括的にエビデンスを収集していくことが求められます。
こういった方法は、スコアリングとも呼ばれており、従来から多くのポートフォリオを構築す
るために利用されてきました行われていましたが、現在では、その重要性と必要性はより高ま
っています。

現場との連携・協力が重視される

ESG2.0は、ステークホルダーを巻き込んだ企業全体の戦略であることから、当然、ESG2.0に
ついて考える際は、現場をよく知っている投資チームと協力して、リスク要因やオポチュニテ
ィにおいて最も重要な要因は何か、単なる数字からは把握できない現場の肌感覚から探ること
ができるような状況をしっかりとヒアリングし、様々な要因をスコア化して共有しています。

ただ、近年では、そういったデータ収集のためには、生データを収集し、関係者に共有するこ
とができるソフトウエアが開発されており、世界中の大手企業では、そういったソフトウェア
を使って、セクターや企業レベルの重要な要因を、より細かく、より詳細に調べています。単
にスコア化するという旧来の方法はいずれなくなっていくでしょう。

インパクト投資とトランジション・ファイナンスは引き続き注目の的

2023年に多くの会社にとって、大きな投資テーマとなっているインパクト投資は、2024年も引
き続き大きな役割を果たすと予想されています。新興市場におけるブレンデッド・ファイナン
ス戦略の活用や先進市場におけるインパクト投資は、2024年以降も確実に注目される分野とな
るはずです。

インパクト投資のおさらいはこちら【投資家に問うしかない】世界に変革を起こせ! インパク
ト投資② どうやって投資するの? vol.78 | DACO CO., LTD.


トランジション・ファイナンスも大きな注目を浴びています。投資業界では、トランジション
を「資金を働かす大きな原動力」とし、多くの投資家が注目しています。

トランジション・ファイナンスについて簡単に説明すると、「脱炭素社会」は地球規模で目指
すべき将来像といわれていますね。ものすごくシンプルにいうと、二酸化炭素の排出量を減ら
そうという取組ですが、これには、多額の資金供給(ファイナンス)が必要です。

日本でも、2050年にカーボンニュートラル、すなわち脱炭素社会の実現に向けて、再エネ等の
既に脱炭素の水準にある事業への取組に加えて、温室効果ガス(GHG)多排出産業を中心に省
エネ・燃料転換等を含む着実な脱炭素化に向けた移行(トランジション)への取組に対して、
なるべく多くの資金供給を得るための取組が必要です。技術面及びコスト面の双方において、
すべての国・地域や産業が一足飛びに脱炭素化が可能なわけではなく、トランジション段階に
ある技術を導入することで最大限排出削減を進める必要があるからです。トランジション・フ
ァイナンスとは、脱炭素社会の実現に向けて長期的な戦略に則り、着実なGHG削減の取組を行
う企業に対し、その取組を支援することを目的とした新しいファイナンス手法です。

トランジション・ファイナンスは、現在日本政府、特に金融庁や経済産業省も非常に力を入れ
ている分野です。ただ、一度に説明するにはなかなか複雑で難しい分野でもあるため、これか
ら少しずつお伝えしていけたらと思っています。

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