知らないと損するポイントを押さえよう
こんにちは。日本ウェルスマネジメント代表のリチャード·ケインです。
相続はまだ先の話です」、とおっしゃる方はとても多いです。
ですが、タイ在住の日本人にとって、相続は“少し複雑”になります。なぜなら、日本とタイ、さらに資産を保有している国の法律が関わる「国際相続」になる可能性が高いからです。
今日は、タイ在住日本人の方が知っておくべき相続·国際相続対策についてお話しましょう。
タイ在住日本人の相続はなぜ複雑なのか
日本国内だけで資産を持っている場合でも相続は大変です。そこに「海外」が加わると、法律·税制·手続きが一気に複雑になります。
例えば、
·被相続人はタイ在住
·不動産は日本
·預金はタイと日本
·投資商品は海外口座
こうしたケースは珍しくありません。
相続では、「どの国の法律が適用されるのか」、「どの国で相続税がかかるのか」、この2つを整理する必要があります。
ここを間違えると、手続きが止まったり、想定外の税負担が生じたりします。
日本の相続税はタイ在住でもかかる?
これは非常に重要なポイントです。
日本は、一定の条件を満たすと、海外に住んでいても日本の相続税が課税されます。
判断基準は主に、被相続人の国籍、居住年数、相続人の居住地、資産の所在地などです。
「タイに住んでいるから日本の相続税は関係ない」とは言えません。
特に日本国籍の方は、海外在住期間が短い場合、日本の相続税の課税対象になる可能性があります。
相続税は最高55%の累進課税ですので、税金対策はとても大切なんです。
タイの相続税制度のポイント
タイにも相続税制度がありますが、日本とは仕組みが異なります。
大きな特徴として、基礎控除が比較的高い、税率は日本より低い、対象資産に制限がある、という点が挙げられます。
タイで不動産を所有している場合や、タイ国内の金融資産がある場合は、タイ側での申告や手続きが必要になることがあります。
さらに、日本とタイの両国で手続きが必要になるケースもあります。言語·法律·実務の違いがハードルになることも少なくないため、専門家に相談をして対策をしておくことが安心です。
国際相続で起こりやすいトラブル
私がこれまで見てきた中で、多いのは次のようなケースです。
·遺言書がないため手続きが長期化する
·海外口座の存在を家族が知らない
·日本とタイで手続きが二重に必要
·為替変動で想定より税額が増える
特に海外口座や海外保険は、家族が存在を把握していないケースが本当に多いです。
ご本人は「大丈夫」と思っていても、残されたご家族が困る可能性があります。
タイ在住日本人が今からできる相続対策
難しいことを一気にやる必要はありません。まずは次の3つから始めましょう。
① 資産の一覧を作る
日本·タイ·その他海外を含め、すべての資産を書き出します。口座情報や保険契約も整理しておきましょう。
② 遺言書の検討
国際相続では遺言書の有無が大きく影響します。どの国の法律に基づく遺言にするのかも重要なポイントです。
③ 納税資金の準備
相続税は原則として現金納付です。不動産や投資商品ばかりだと、納税資金に困るケースがあります。生命保険を活用する方法もあります。
「まだ早い」と思われる方ほど、準備を始めていただきたいです。早いほど選択肢が広がりますからね。
相続対策は、家族への思いやり
相続対策は、お金のテクニックではありません。ご家族への思いやりです。
タイ在住という環境は、人生を豊かにしてくれます。しかしその分、法律や税制は複雑になります。
だからこそ、専門的な視点で整理することが大切です。
私はこれまで、タイ在住の日本人の方の資産形成とリスク管理をサポートしてきました。相続も、その延長線上にあります。
「何から始めればいいか分からない」、それで全く問題ありません。
まずは現状を一緒に整理するところから始めましょう。
ご自身とご家族の安心のために、将来「準備しておいてよかった」と思えるよう、お金の面から、皆さまの人生を支える存在でありたいと、私は心から願っています。