性別によって保険の掛け金が変わるケースがあると聞いたことはありますか?
男女平等、と私たちは教えられてきましたよね。最近では、ジェンダーレスとか、LGBTとか、いろいろな議論があります。弊社は、ジェンダーの問題にも真剣に取り組み、誰でも平等な権利を持ち、平等に過ごすことができる社会の実現に貢献したいと願い、努力しています。
しかし、保険会社が生命保険や医療保険を提供する際に考慮する要素はたくさんありますが、特に人の性別に関しては、どうなのでしょうか。
女性は一般的に長生き
例えば、一般的に女性は男性よりも長生きです。イギリスの統計局の最新の数字によると、イギリスの平均寿命は男性が79歳、女性が83歳です。
性別に関して言えば、例えば子宮頸がんや乳がんは女性しかかからない病気です。精巣がんは、男性しかかからないし、前立腺がんのように、圧倒的に男性の方がかかりやすいというデータがある病気もあります。性別によって異なる病状もありますよね。
そうすると、保険でカバーされる内容は、契約者によって変わってくることもあるのですが、被保険者がトランスジェンダーである場合はどうなるのでしょうか。
被保険者がトランスジェンダーの場合
トランスジェンダーの顧客には、どのような種類の保険が提供されるかについて、より複雑な議論があります。例えば、トランスジェンダーの女性(男性から女性に転身した方)の場合、前立腺がんや精巣がんの検診は受けられるのでしょうか。それらの疾患は医療保険でカバーされるのでしょうか?
また、トランスジェンダーの男性(女性から男性に移行した方)の場合、子宮頸がんや乳がんは保険でカバーされるのでしょうか?
性転換は、トランスジェンダーの方々の個人的な問題であるため、保険は包括的なものである べきですよね。トランスジェンダーの男性の中には、乳房組織を除去する「トップ」手術だけ を受けようとする人もいれば、もっと踏み込んだ手術を受ける人もいるでしょうし、それはト ランスジェンダーの女性も同じです。 つまり、生物学的性別に関連した健康上のリスクが潜在 的に残っている可能性があるのです。
トランスジェンダーの方々の保険はどう変わるの?
では、トランスジェンダーの保険加入プロセスがどのようなものか、また保険に加入した後に移行した場合、どのように変わるのでしょうか。
まずトランスジェンダーの方々は、性別と生物学的性別が一致する人と比べて、何かハードルがあるのでしょうか。市場シェアや消費者からの人気が高いイギリスの大手生命保険・医療保険会社10社に対し行われた調査では、エイゴン、ロイヤルロンドン、スコティッシュ・ウィドウズ、チューリッヒはいずれも、トランス系の顧客に特有の要件や質問はないとの回答だったそうです。すべての申し込みは、ケースバイケースで検討され、他の顧客と同様に、治療や病状について質問され、申請者の回答に対するフォローアップとして、追加の情報が必要となる場合もあるとのこと。
ある保険会社は、包括性を基本的に重要視しており、トランスジェンダーのお客様も他のお客様と同じように扱われるべきであると考えており、追加保険料はかからず、カバーの範囲も何ら制限されることはないと明確に回答しています。
トランスジェンダーの障壁は多くない
トランスジェンダーの方々は、保険に加入する際、加入できないとはいわずとも、何か難しいとか、ハードルに直面するのではないか、というのは誤解です。
例えば、保険加入申請時に、トランスジェンダーの方が、何かしらの手術を直近で予約している場合、保険会社はその手術が終わるまで、または、回復後の保険金の支払いをしないといわれるかもしれません。しかし、これは重要な医療処置を受ける人すべてに言えることで、トランスジェンダーだからというわけではありません。
性別はどう書けばいいの?
トランスジェンダーの方が保険に加入するとき、その人は生まれながらの性別と、希望する性
別のどちらで判断されるのでしょうか。
従来は、新しい性別で申請するためには性別適合証明書が必要だったこともあるようです。現在では、企業は最新の出生証明書も積極的に受け入れています。その結果、トランスジェンダーの方の保険加入も増えてきたとのこと。また、多くの人が、所得補償でそのような費用がカバーされると考えていますが、残念ながらそうではありません。
保険というものは、人々を保護するために作られたものであって、差別をするためのものではありません。加入者が誰であるかではなく、加入者が可能な限り最善の方法で保護を受けられるようにするものです。
まずは一人で悩まず、アドバイザーに相談し、アドバイスを受けることが最善の方法です。是非弊社のアドバイザーにご相談くださいね。